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ごめん、やっぱ忘れたかも
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6.
「もっと別の方法があるんじゃないのか?」

 羽山は言う。

「そんなことしなくても、もっと何か、別の方法があるんじゃないか?生きてこのループから逃げる方法が!」

「そんなの見つかってたら、とっくに抜け出してるわよ」

「考えられる方法はこれしかないのっ!あなたに何が分かるっていうの?今まで何年、いや何十年同じ一日を繰り返してきた私の何が分かるっていうのよ!」

「・・・・・・」

「いいわ。別にどうせ今日のことなんて明日になれば軒並み忘れてるでしょうし。とりあえず今日の私は死ぬわ。次の私によろしくね。明日の羽山君も頑張って無駄な努力を、頑張って」

そして横断歩道に彼女は飛び出した。

 それからは一瞬のことだった。

 すべてがスローに見える中、倒れ込む彼女に向って、着実に近づく乗用車。おそらくあの車が何年、いや、何十年も前の今日、羽山たちの命を奪ったのだろう。

 考える暇もなく、羽山は歩道に飛び出し、川野に手を差し伸べて、



 ありがとう。




 そんな言葉喋る時間も無かったはずのこの刹那の時間に、羽山の耳にそんな声が聞こえてきた。



















‐epilogue‐







 「・・・あれ?」

ふと顔をあげた羽山は辺りを見回す。

「ここは・・・学校?」


 時刻はどうやら午前中。まだ誰も学校には来てないみたいだ。

「んん?夢か・・・」

 こつり、と靴音が聞こえる。

振りかえると誰かがいた。逆光で誰だかよく分からない。

「おはよう、羽山君」

 誰だろう。よく知った顔の気もするけれど、そうじゃない気もする。

「・・・今日は何月何日だ?」

 こつり、こつりと歩み寄ってくる影に羽山は問うた。

「9月30日よ」

 そういう彼女の足元には影がない。

「いい夢、見れた?」

 そうい言った彼女の声が、羽山の耳の中で木霊する。

「ふふっ、ふふふ・・・」

 教室には2人だけ。白い箱の中でいつまでも彼女の笑い声だけが響いている。




 
/そして明日も終わらない 了.
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でもめげない…多分

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