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ごめん、やっぱ忘れたかも
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「*****さん、好きです。どうか私と結婚をしてください」 


 ちょうど窓から見える公園にある紫陽花が咲き始めた頃だったと思う。私は熊に求婚された。

 アパートのドアを開けたら、そこには黒いずんぐりむっくりとした熊が、鮭を両手に立っていた。緊張しているのか、若干手が震えている。けど、鮭を目の前に差し出されながら愛の告白をささやかれても、それはそれは対応に困ってしまう。しかも交際の申し込みを一足飛びに結婚と来たものだ。しかも、見ず知らずの熊に。



「・・・え、私ですか?」



ちょっと鏡の前に立って自分の姿がきちんと人間に映っているのか確認したくなる。私は、熊じゃなくて人間だ(と、思う)。その人間に熊が求婚してくるなんて。

はてさて、どうしましょう?

 




-十分に小さいδは、とってくるのが難しい-
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(紳士同盟アリス第5回イベント企画~雛祭り~)




見逃してしまうくらいの小さな羽ばたき


その誰にも気づかれない力が、世界を大きく変えてしまうから


だから私はあきらめない


変えられないのなら、結末は、せめてささやかな幸福を

 

-prologue-                    

春に思う

―それであの映画館って、一体なんだったの?―


 扉を開ける音がして、老人は目を覚ました。どうやらさっき入ってきた二人組みが、映画を見終わって出てきたらしい。
「大したことなかったわねえ」
「ちょっ、八月一日さん、声でかいって」
 そう言いながら、男の方がコチラの顔を伺ってくる。寝たふりを続けていたので寝ていると思ってほっとしたようだった。
「でもまあ、特撮じゃないって言うか、なんか映像的にリアルだったわね」
「それは僕も思った」
 そう言いながら、二人は映画館を後にした。
 「リアルも何も我がスタッフが撮影してきたものは本物なんですよ、お客さん」
 閉まる扉に向かって呟いた老人の声は二人には届かなかった。


 テレビの特番などでよく「衝撃映像」とか「カメラが偶然捕らえた奇跡」とか、そういうものが時々放送されるが、老人がまだ若い頃、これは世界に起きた奇跡のどれくらいを撮影しているのだろうか、と言う疑問を持った。
 過去はもちろん、今こうして生きている間にさえこの世界のどこかで奇跡が起きて、でもそれは記録されずに時間とともに忘れられていくのだという事に彼は気付いた。
 それだけではなく、普段の生活に一部始終だって、立派な物語足りうるのに、その主役自身でさえ次の日には忘れている事だってある。

 そして彼は立ち上げた。いつの日か誰からも忘れ去られるような、映像を採取する組織を。彼らは記録者と呼ばれ、今も世界のどこかに散らばって各々ができる限りの映像を採取している。
 そうして彼らが集めた映像は編集されてここに持ち込まれる。そして、時々迷い込んできた客に上映されるのである。
 ここで上映される物語もいつかは忘れ去られるだろう。

「不毛ね」

 いつかあった死神にはそういう事を言われたが、それでもかまわないと、彼は思っている。この世界に無数に散らばったカケラを、誰かが見ていつか忘れる。それでもかまわない。
 誰しもこの世界から、いつかほとんど全て忘れ去られる。それを少しでも感じ取ってほしいだけなのかも知れない。

「よーう、おやっさーん。今回もいい画が取れたぜー」
 彼は記録者の中でも一、二を争う腕前だ。よほど良いものができたみたいだ。
「おう、そうかい。それじゃ、早速見せてもらうとしようかね」

 今日もどこかで、誰かが何かを忘れていく。掬っても掬ってもこぼれていく物語。彼らの不毛な戦いは終わらない。

 /忘れられる映像 了.

  クリスマスイブ。世間が浮き足立つこの日に四月一日と八月一日は街中でデートをしていた。これといってプランも立てずに街中をぶらぶらと見て回るだけのデート。その到る所で赤い服に身を包んだ人たちが儲けを上げようと躍起になっている。
「ちょっと疲れたわね」
「うーん、なんか落ち着ける所ってないかなぁ」
 いろいろと街中を練り歩いていたので、八月一日にも疲れがたまっていた。そういう四月一日だって基本的に人ごみがあまり好きではない。
「ちょっと静かになれるところを探そうか」
「うん」
 繁華街から離れる途中で、路地裏に古ぼけた建物が見えた。
「ん?」
 そこの看板には『Lost theater』と書かれている。古ぼけていて誰も気がつかないのだろうか?
「こんなところにこんな建物あったっけ?」
 ネット検索でも引っかからないような感じがする。
「映画館みたいだけど、人少なそうだし。ここにしよっか」
「そうね。何か面白そうなものが上映してるかしら?」

(どうやら勘違い?別に0時00分じゃなくてもいいのかな)

無謀にも参加をしてみたハロウィンパーティーの本会場はコチラです

僕のなんか比べ物にならんくらいの良作が集うのでこっち見るよりそっちを見たほうが断然いい

ちなみにこの記事は、携帯で見ると追記が崩れるので見るならPC閲覧推奨

内容に関しては、文才はないし衝動的なものだったからそれは許してとしか言いようが無い

っていうかまだこれから今日が終わるまで時間あるから、他にもなんか作ってみるか

(いや、そこは自重しようぜ)

(追記:自重せずにとりあえず話の続きを考えてみました
 
なんか煮え切らない感じがしたので補完を考えてみたんですけど、補完になってねー

むしろ話は余計にカオティックな方向に?)

↓のお題はJack 0' Lantern
********************************


「あ、こんばんは」
「?はぁ、こんばんは」
 
 10月31日。夜。

 空には雲がかかっていて、今夜はとても暗い。近くのコンビニで買い物を済ませ、人気の少ない帰り道の途中で、通りすがりのカボチャに絡まれた。

 

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