ごめん、やっぱ忘れたかも
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―それであの映画館って、一体なんだったの?―
扉を開ける音がして、老人は目を覚ました。どうやらさっき入ってきた二人組みが、映画を見終わって出てきたらしい。
「大したことなかったわねえ」
「ちょっ、八月一日さん、声でかいって」
そう言いながら、男の方がコチラの顔を伺ってくる。寝たふりを続けていたので寝ていると思ってほっとしたようだった。
「でもまあ、特撮じゃないって言うか、なんか映像的にリアルだったわね」
「それは僕も思った」
そう言いながら、二人は映画館を後にした。
「リアルも何も我がスタッフが撮影してきたものは本物なんですよ、お客さん」
閉まる扉に向かって呟いた老人の声は二人には届かなかった。
テレビの特番などでよく「衝撃映像」とか「カメラが偶然捕らえた奇跡」とか、そういうものが時々放送されるが、老人がまだ若い頃、これは世界に起きた奇跡のどれくらいを撮影しているのだろうか、と言う疑問を持った。
過去はもちろん、今こうして生きている間にさえこの世界のどこかで奇跡が起きて、でもそれは記録されずに時間とともに忘れられていくのだという事に彼は気付いた。
それだけではなく、普段の生活に一部始終だって、立派な物語足りうるのに、その主役自身でさえ次の日には忘れている事だってある。
そして彼は立ち上げた。いつの日か誰からも忘れ去られるような、映像を採取する組織を。彼らは記録者と呼ばれ、今も世界のどこかに散らばって各々ができる限りの映像を採取している。
そうして彼らが集めた映像は編集されてここに持ち込まれる。そして、時々迷い込んできた客に上映されるのである。
ここで上映される物語もいつかは忘れ去られるだろう。
「不毛ね」
いつかあった死神にはそういう事を言われたが、それでもかまわないと、彼は思っている。この世界に無数に散らばったカケラを、誰かが見ていつか忘れる。それでもかまわない。
誰しもこの世界から、いつかほとんど全て忘れ去られる。それを少しでも感じ取ってほしいだけなのかも知れない。
「よーう、おやっさーん。今回もいい画が取れたぜー」
彼は記録者の中でも一、二を争う腕前だ。よほど良いものができたみたいだ。
「おう、そうかい。それじゃ、早速見せてもらうとしようかね」
今日もどこかで、誰かが何かを忘れていく。掬っても掬ってもこぼれていく物語。彼らの不毛な戦いは終わらない。
/忘れられる映像 了.
閉まる扉に向かって呟いた老人の声は二人には届かなかった。
テレビの特番などでよく「衝撃映像」とか「カメラが偶然捕らえた奇跡」とか、そういうものが時々放送されるが、老人がまだ若い頃、これは世界に起きた奇跡のどれくらいを撮影しているのだろうか、と言う疑問を持った。
過去はもちろん、今こうして生きている間にさえこの世界のどこかで奇跡が起きて、でもそれは記録されずに時間とともに忘れられていくのだという事に彼は気付いた。
それだけではなく、普段の生活に一部始終だって、立派な物語足りうるのに、その主役自身でさえ次の日には忘れている事だってある。
そして彼は立ち上げた。いつの日か誰からも忘れ去られるような、映像を採取する組織を。彼らは記録者と呼ばれ、今も世界のどこかに散らばって各々ができる限りの映像を採取している。
そうして彼らが集めた映像は編集されてここに持ち込まれる。そして、時々迷い込んできた客に上映されるのである。
ここで上映される物語もいつかは忘れ去られるだろう。
「不毛ね」
いつかあった死神にはそういう事を言われたが、それでもかまわないと、彼は思っている。この世界に無数に散らばったカケラを、誰かが見ていつか忘れる。それでもかまわない。
誰しもこの世界から、いつかほとんど全て忘れ去られる。それを少しでも感じ取ってほしいだけなのかも知れない。
「よーう、おやっさーん。今回もいい画が取れたぜー」
彼は記録者の中でも一、二を争う腕前だ。よほど良いものができたみたいだ。
「おう、そうかい。それじゃ、早速見せてもらうとしようかね」
今日もどこかで、誰かが何かを忘れていく。掬っても掬ってもこぼれていく物語。彼らの不毛な戦いは終わらない。
/忘れられる映像 了.
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「残念だったねええええええ」
いやね、今回は忙しかったんです
まぁ忙しいだろうなあと思いながら12月を舐めてました ごめんなさい
そういうわけで前回のクリスマス記事の捕捉っつーかepilogue.
同盟の方に貼っていただいた記事は、この話で完結しますが、クリスマスのお題は含まれてませんので、その記事にリンクは貼りません
エピローグですが、別腹とお考えください
今回は4つ話を書いてみましたが、どれもズタボロですね スーパー低品質をお届けしてすんませんでした
FC2小説という物がサービスに追加されてたので、ちょっと試しに取り入れてみました アクシデントもありましたが、すいませんでした
しかも一個中身はぼんやり決まってたんですけど、〆切二時間くらい前から書き始めたんです
okinaさんと共同企画で音風呂でオン会しながら
おかげさまで、どちらもぐだった内容に・・・ ほんとにすんませんした
もう死にたい気持ちで一杯ですが、
前回ハロウィンでイミフな話を書いて今回も磨きがかかってイミフなので(多分)補足的(になるだろう的)な裏話とか
◎分岐前の話に出てくる二人は某所から出張していただきました
彼らの話は別の某所で一話だけのっけてます 2話以降はまぁ運があれば見れます
分岐後の話ですが・・・
◎最初の話が時系列的に一番最後のつもり 女の人と(もちろん男の人とも)付き合ったことが無いので普通に恋人って何するのー?僕わかんなーいってお話です
◎次の話は、まぁあることに気付く人は気づくかなあと言う話
ここも某廃墟にちょっとは日の目を見せてあげようと言う魂胆がみえみえです
製作中、出来たと思っていたら、なんと保存されていなかったと言うお話
3つめのヤツの直前に慌てて書きました これも素晴らしい低品質
やっぱ、物書きするなら、一文書いたらCtrl+Sの習慣が欲しいですね
ブログとかFC2小説で書いてたから、それやっても保存されないんですけどねー
◎3つ目のヤツは恋愛として人と付き合ったことも無い上に、子どもを生むとか僕体験できませんから、全て安っぽい妄想でしたねーって話
で、これが〆切ぎりぎりに書いた奴 読み返したくないくらいひどい気がする
しかも4つの中で繋がりが無い 完全別個のイミフメイ
イミフメイでゴメンナサイ
◎4つめは一番最初に出来上がったものです
時系列的には一番最初です 最初のはずです
それでもひどいな、書いてからあんなに時間があったのに
時間が出来れば、置いといて自分で満足できるようにちょくちょく改定していきます
そういうわけで、いいわけ終了
真に無様である
企画元の綾瀬さん、彩世さん今回も素敵な企画をどうもありがとうございました
皆様楽しいクリスマスはお過ごしできましたでしょうか?
ネット見る暇もないくらい楽しかったよと言う人も、僕のこの話と前のクリスマス記事を見て残念になった人も後は楽しい年末年始をお過ごしください
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