シュレディンガーの猫は、

（紳士同盟アリス第５回イベント企画～雛祭り～）




見逃してしまうくらいの小さな羽ばたき


その誰にも気づかれない力が、世界を大きく変えてしまうから


だから私はあきらめない


変えられないのなら、結末は、せめてささやかな幸福を

 

-prologue-                    

春に思う

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　庭に出ると、庭の隅にひっそりと一本の桃の木に花がついていた。もうそんな時期になったのか、と思う。

私には、姉がいた。彼女と私は瓜二つの容姿をしていて、いつも一緒だった。彼女は私と同じ外見をしているのに、私よりも多くのものを知っていた。あの木は白鳳の木であることも彼女が教えてくれた。
　桃の花の甘い香りと一緒に、彼女と過ごした日々がよみがえってくる。
　私たちは、いつも一緒だった。趣味や思考は違ったけれど、それでもお互いつかず離れずの距離で一緒にいた気がする。


　けれど、彼女はもういない。もう、あの優しい声も聞くことができない。そして、私は彼女の死から未だに解放されずにいる。

　桃の木を見ながら、知らないうちに私は涙を流していた。

「姉さん・・・・・・」

　そして、よみがえる記憶と共に、私は本当の気持ちを思い出す。姉さんが死んで、本当は私は、・・・


１．私は彼女が死んで嬉しいのだ。

２．私は彼女が死んで寂しいのだ。